動物に関する問題の3回目は、「殺処分問題」について考えていきましょう。
〇殺処分とは
不要な、もしくは人間に害を及ぼす動物を殺害すること。
不要ということは…人間のわがまま→減らせる!
害:伝染病(家畜伝染病予防法)、野良で人になつかないなどが挙げられます。
殺処分問題は、人間の意識さえ変えれば、解決できるかもしれないということ。

〇現状
・日本で飼われている犬と猫は、約1845万頭(H29)
(犬:約892万頭、猫:約953万頭)
比較として、日本の人口:約1億2700万頭(H28)
単純計算で7軒に1軒の家が犬か猫を飼っているのです。
・日本で1年間に自治体の保健所や動物愛護センター等に引き取られる犬や猫は、 約10万600頭(H29)
犬が38%、猫が62%で年々減少してきている。
犬では、迷子や所有者がいない成犬・老犬が多く、猫では所有者のいない幼い猫が多い。
全体として、野良の犬や猫が多い→野良は人間との社会化ができていなくて、慣れることが難しく、育てることが困難なことが多いから。
〇自治体などに引き取られた後
飼い主へ返還されたり、新たな飼い主を探して譲渡されます。(年間5.76万頭)
自治体の努力により、返還や譲渡は増えている。
しかし、引き取られた犬や猫の約43%の約4.32万頭がやむなく殺処分されている。
多くの犬や動物が殺処分されていて、自治体の保健所や動物愛護センター等では、対応しきれないことがわかります。
〇殺処分の方法
処分の方法は、法で“できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法”と決められており、二酸化炭素による昏睡と自己呼吸の停止による窒息死が一般的。
他にも、気体の吸入、頸髄脱臼、静脈注射などがあり、最終的に死体は焼却されます。
〇殺処分を減らすための動き
・殺処分ゼロ:2014年6月3日、環境省は殺処分されている犬と猫について、将来的にゼロにする ための行動計画を発表した。
果たして、1年で殺処分される約4.32万頭をゼロにすることなどできるのでしょうか?
〇殺処分減らすことで問題も…
・譲渡適性のない個体を譲渡したことによる咬傷事故の発生
→保健所に送られてくる動物は多く、しつけにまでなかなか手がまわらない
・団体譲渡した動物愛護団体のシェルターが過密飼育
→動物が殺処分になってほしくないという想いが裏目にでてしまった
〇さいごに
大事なことは“ペットは生き物”
・可愛いからって衝動買いしない
・責任をもって飼う
・ちゃんと次の飼い主を探す
ペットを飼っている人の意識で、殺処分される動物の数は減少するはず。
一時の想いに左右されるのではなく、長い目で現実的に考えることが必要ですね。