観光公害②では、海洋ごみによる海洋汚染にどう取り組むべきかという問題について紹介します。
今回は、プラスチックごみに焦点を当てています。

海洋ごみって?
人間の日常生活で出たプラスチックや食品トレー、紙類、金属類やガラス類をちゃんとした廃棄物の管理を行わず海へ流入すること。
海洋ごみの問題点
①拾っただけでは解決しない
特定の地域に繰り返し大量に漂着・流入してきたごみは、リサイクル困難であるという問題があります。
それは、漂流中に水分・塩分・ごみが付着することやごみがリサイクルできないほど小さくなってしまうからです。
②環境への悪影響
生物が本来の餌とゴミを区別できずに、誤飲・誤食をしてしまうことがあります。
場合によっては死に至る場合も…。

上記のクジラは、アートであり実物のクジラではありません
③経済的な影響
ごみによって、観光地の景観が損なわれています。
ごみによる景観の悪化は世界中で問題になっています。

https://www.dailymail.co.uk/news/article-5217029/Bali-declares-garbage-emergency-amid-sea-waste.htmlより引用
④国境なき海ゴミ
ゴミというのは自国の国だけではなくて、他国の国へゴミが流れ着きます。つまり、お互いの国に悪影響を及ばしているのです。
このような問題に対して日本、インドネシア、アメリカはどのような対策をしているのか見ていきましょう。
日本
海ゴミサミットという年に一度、海洋ゴミの様々な情報共有と対策の推進について、様々な人々が集まり議論、討論する場を開催しています。
行政関係者、NPO/NGO、研究者、住民が海外のゲストとともに、各地の課題や状況の共有、具体的な対策について意見交換や提案をしています。
2016年に行われた三重会議では、「生物多様性と海洋ごみ」・「プラスチックごみの海岸への流入防止」が議題となりました。
海洋ごみの問題が、大きな影響を与えていることを物語っている議題ですね。
インドネシア
国連が推し進める、海洋を汚染する海洋を汚染するプラスチックゴミの潮流を止める運動「Clean Seas」に参加しています。
その取り組みの一環としてプラスチックゴミを2025年までに70%削減することを誓約し、リサイクル事業の促進、プラスチック袋の使用抑制などを実施しています。
インドネシアは世界第2位の海洋ごみの排出国なので、その責任を果たそうと、幅広く活動を行っています。
アメリカ
マイクロビーズが入った商品を販売禁止、国立公園ではペットボトルに入った水の販売を中止しています。
環境に悪影響に与えるものを排除することで、海洋ごみの発生を最小限にしています。
このような対策を取っていますが、まだ海洋ゴミは増加傾向です。
どうしたら海洋ゴミは無くなるのか?
海洋ごみは今や大きな環境問題です。
個人レベルから企業レベル、政府・地方自治体レベルで対策して、海ごみの発生源を徹底的にコントロールすることが必要です。
次回は、「観光客による名勝地の破壊」について紹介します。
お楽しみに!