食べ物についての5回目は「飢餓」について考えていきましょう。
飢餓について
飢餓の定義は”長時間にわたり食べられず栄養不足になり、生存と生活が困難な状態”のことです。
そして、食事が食べられるようになり、十分に栄養が摂取でき、飢餓を抜け出したといえる基準は、”生命の維持だけではなく、健康で社会的な活動を行える状態”です。
飢餓の現状
飢餓で亡くなっている人は1日に4~5万人で、年間に1500万人以上になります。
このうち子どもの割合は7割以上になります、
栄養を十分に採れない先進国の子どもが飢餓によって亡くなっているのです。
『世界がもし100人の村だったら』という本で、どれぐらいの人が栄養がとれていないか、わかりやすくあらわされています。
・20人が栄養不足 1人は死にそう
15人が太りすぎ
・33人はビタミン・ミネラル不足
↳思うように働けない、遊べない
・70人(特に妊婦)は鉄分不足
↳出産時に亡くなる確率が急増
100人の村で表すと、多くの人が栄養が不足していることがわかります。
飢餓の原因
一般的に言われている原因は以下の4つになります。
①食料不足
1年間で生産される穀物の量は24億トン
これを人口の71億人で割ると、一人当たり約300Kg得ることができます。
人が健康を維持していくために必要な穀物は年間150~180Kgなので、その約2倍も生産されている計算になっているのです。
②自然災害や戦争
確かに、災害や戦争は大きな打撃を与えるものです。
しかし、「飢餓が原因で亡くなる人」は、目の前に食べ物がないのではなく、あるのに貧しくて買うことができずに衰弱し亡くなる人がほとんどなのです。
根本的な原因ではないのです。
③人口増加
発展途上国の貧しい人にとっては、子どもが大切な働き手となります。
しかし、その多くが貧しさから幼いうちに亡くなってしまいます。
なので、たくさんの子どもを産む必要が出てくるのです。生き延びるためには“子ども”という働き手を増やすしかないのです。亡くなることが前提で産んでいるのです。
④働けなくて貧しい
多くの発展途上国では、一握りの地主がほとんどの土地を所有し、農民を低賃金で雇うというシステムがとられています。
土地がないため食べ物を作ることは難しいし、仕事を求めて都会に行っても仕事を得ることは難しいのです。特に、栄養不調から働ける丈夫な体作りができていない人はなおさらです。
つまり、上記の4つの原因は飢餓の大きな原因ではないのです。
これらのことが原因でないとすれば、穀物が豊富にあって、あと一人当たり150gの穀物があれば飢餓の人が助かると言われている地球で、何が起こっているのでしょうか?
本当の原因を見ていきましょう。
・食料が家畜の餌になっている
工業先進国(日・米・EUなど)で、全穀物の40%が消費されています。
内、半分は牛・豚・鶏などのえさになっています...
→第二次世界大戦以前と比較して日本の肉の消費量は…13.5倍
・食料輸入
食糧を輸入して暮らしている国が多くなっています。
経済政策を進めるために、自国の農業よりも工業製品の輸出を優先するようになったのです。
特に、日本の現在の穀物自給率は28%
しかし、輸入した多くの食糧が廃棄に...
つまり、食料が足りていないのではなく、先進国が工業化を優先して農業をしなくなり、他国から食料を大量輸入した結果、発展途上国で食料が足りなくなり、飢餓で苦しんでいる人がいるのです。
では、こんなにも食糧を無駄にしている日本は食料に困っていないのでしょうか?
日本の飢餓
日本は、毎日食糧を無駄にしているにもかかわらず5.1%の人が飢餓を経験したことがあるというデータがあります。
5.1%と聞くと少ないように感じられるかもしれませんが、これは日本の人口の20人に1人であり、612万人、東京都の約半分が飢えを経験しているという計算になります。
この数字は多いと思いますか、少ないと思いますか?
さいごに
解決策としては
・貧しい人たちへの自立の支援
・流通網を整備し、市場を発展させることで、食料を適正価格で買えるようにする
などが挙げられますが…
私たち大学生に今日今からできることが「食品ロス」を出さないことです。
これは、実際にアースデイのご飯会でも食べ残しはしない、など行っていますが、日常においても買いすぎて腐らせないなど気を付けることが重要です。